僕が20代の頃、現場監督と言う仕事から初めて住宅営業と言う職種に転属となった時の話。

先輩のスケジュールに、朝のミーティングの後”サボタージュ”的なものがあった。
当然書き方はそんなストレートな表現でなく、仕事っぽい『○○邸現調』とかだった。

　はじめは僕も分からないから先輩に付いて行くだけ・・・

『営業の仕事ってこんな感じ？』って最初は思った。

でも、何回か御伴をするうちに段々とその意味が理解出来た。

営業の仕事で一番大切なのは面談だけど、その面談が出来るのは平日ならお客様が仕事から家に帰る夜から・・
土日でも昼前後くらいからが面談に有効な時間。

それ以外は現場を見に行ったり、土地を物色したり、モデルハウスに行って見込みのお客様を確保しに行ったり・・
でも朝からモデルハウスに来られる方も少ないので、朝8時のミーティングが終わったら9時前くらいから10時くらいまでは情報収集だ。

その場所が『町の喫茶店』で、それがサボタージュだ。

朝、9時前後に行くと、地元の銀行の外回りの人達や不動産関係、ゴルフ場への配達を終えて一息つく社長さんや食品関係の人・・・
様々な職種の人が『あそこのあれがどうのこうの』などと噂じゃないけど情報交換？をしていて、先輩も話に加わったりもしている。
当然、そこのママさんはそういう色んな話を小耳に挟むから物凄い情報通。
『○○さんの事やったら●●君がよう知ってるわ、●●君は朝どこどこの喫茶店でいるわ』と他の喫茶店を教えてくれる喫茶店のママさん。

そんな場所で新聞を読みながら小一時間過ごす。

新聞には政治の事やスポーツの事や為替の事や地域の出来事や人生相談まで・・
いろんな事が載っていて、情報だけじゃなくお客様との話のネタにも役立つ。

なので、営業に配属になって最初に言われたのが『新聞を読む事』と『地域の人と会って話をする事』だ。

一見、朝っぱらから新聞を広げながら世間話をする大勢の大人たちを見て『仕事サボって何しとんねん』的な感じだけど、とても大切な時間だと知った。

最近、マックカフェやタリーズとかのおしゃれなカフェが出来てきて、そういう町の喫茶店が少なくなった。
最近のカフェなる所はそういう話も出来るのかも知れないけど、なんとなくそこで勉強する人がいたり本を読んだり、個々の時間を楽しむ空間と言うイメージもある。

今はみんなどうしてるのかなぁ・・・

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　とってもかわいいネイルです